理学療法士としてキャリアをスタートさせた頃、多くの人が情熱を持って臨床に取り組みます。
「患者さんを良くしたい」という思いから、毎月高額な勉強会に参加したり、参考書を購入して技術を磨く日々。
しかし、どれだけ努力をしても、その成果が給料や地位に反映されることは少ない現実に直面することも多いでしょう。
一般企業であれば、努力や成果が給料や昇進に結びつくことがありますが、リハビリ業界ではそのような構造がほとんどありません。
その結果、技術を磨けば磨くほど自己満足で終わり、「こんなに頑張っているのに報われない」と感じ、モチベーションを失ってしまう人も少なくありません。
本記事では、年功序列が根強いリハビリ業界の現状と、その中で腐らないための方法についてお話しします。
【理学療法士業界における年功序列の現実】

理学療法士の多くが勤務する病院や施設では、昇進の条件が曖昧であることが一般的です。そのため、勤務年数が評価基準となり、年功序列による地位の決定が大半を占めます。
例えば、新しい技術を学んだり、学会で発表をしても、それが直接的に昇給や昇進に結びつくことはほとんどありません。
一方で、長年同じ施設で働いているだけで、リーダー職や主任職に就くケースも見受けられます。
技術や努力が評価されない現場において、やりがいや意欲を維持することは難しいと言えます。
さらに、リハビリ業界では「リーダーシップを取る」や「新しい取り組みを提案する」よりも、現状維持を求められる傾向があります。
そのため、若手が技術を磨いても、それを発揮できる環境が整っていないことが多いのです。
【給料が上がりにくい仕組み】

理学療法士の給料が低い理由の一つは、医療保険制度による制限にあります。
たとえば、1年目の理学療法士が提供するリハビリも、20年目の理学療法士が提供するリハビリも、診療報酬に差がないのが現状です。
また、1日に取得できる単位数にも制限があり、得られる利益の上限が決まっています。
そのため、技術を磨いても、それが給料アップに結びつくことは非常に難しいのです。
また、資格取得や学会発表といった努力を積んでも、その見返りが得られないことが多く、「報われない」という思いが募るばかりです。
さらに、現場では「効率重視」が求められ、患者一人ひとりにじっくり向き合う時間が限られています。
これでは、せっかく身につけた高度な技術を活かす場がなく、スキルを維持するモチベーションを失うことにもつながります。
【勉強熱心な理学療法士が陥る落とし穴】

多くの理学療法士が、目の前の患者さんのために時間とお金を投資し、技術を磨き続けています。
しかし、その努力が給料やキャリア形成に直接結びつくケースは稀です。
たとえば、認定資格やトレーナー資格を取得しても、診療報酬上の加算が得られないため、実質的な収入アップにはつながりません。
また、学会発表や研究活動に取り組んでも、それが評価されるのは勤務先以外の場であることが多く、現在の職場では認知されないこともあります。
その結果、技術を磨いてきた理学療法士ほど、「努力しても報われない」という現実に直面し、やる気を失うケースが少なくありません。
勉強熱心であるがゆえに、収入面での不満が蓄積し、自己満足で終わることへの不安を抱える人が多いのです。
【副業で活路を見出す方法】

理学療法士として培った技術や経験を活かし、副業で活躍する方法があります。
特に自由診療である整体業は、技術の高さを直接収入に結びつけやすい魅力的な選択肢です。
私自身、理学療法士としての経験を活かし、副業で整体業を始めました。料金設定や営業時間を自由に決められるため、自分のペースで働けるだけでなく、技術の価値を適正に評価してもらえます。
現在では、週1回の整体業で月5〜15万円の副収入を得ています。
また、副業として整体業を始めることで、本業に依存しない収入源を確保できるだけでなく、将来的には独立する選択肢も広がります。
技術を磨いてきた理学療法士こそ、このような新しい活路を見出すことができるのです。
【まとめ】
理学療法士業界の年功序列や給料の上がりにくさといった現実は、努力する人ほど報われにくい構造を持っています。
しかし、その中で腐らないためには、自分自身で新しい道を切り拓くことが重要です。
副業として整体業を始めることで、技術や経験を最大限に活かしながら、収入アップやキャリアの幅を広げることが可能です。
本業と副業を両立させることで、安定した生活を維持しつつ、理学療法士としての将来を明るくする一歩を踏み出しましょう。
今の環境に満足できない方は、副業という新しい挑戦を始めてみてはいかがでしょうか。
自分の技術と努力を報われる形で活かせる場が、きっと見つかるはずです。