【雑談9】私の病院で推奨されている治療手技(ボバースとMAについて)

雑談コーナー
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トトン
トトン

こんにちは!

カピバラ似で、四角いメガネがトレードマークのトトンです。

普段は総合病院で理学療法士として働きながら、副業で整体師もしています。

この【雑談コーナー】では、私が日々感じたことや体験した出来事など、私トトンの視点で気軽にお話ししていきます。

ちょっとした息抜きに読んでいただけたら嬉しいです!

【私の病院で推奨されている治療手技】

当院のリハビリテーション部では、脳血管障害や神経疾患をお持ちの方に効果的な治療法を取り入れています。

特に大切にしているのが、「ボバース・コンセプト(Bobath Concept)」と「Movement Analysis(MA:運動分析)」という2つのアプローチです。

「ボバース?MA?それって何?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回は、これらの治療法がどんなものなのか、そして当院でどのように取り入れているのかを、できるだけ分かりやすくお話ししていきます。

【ボバース・コンセプトとは】

ボバース・コンセプトは、脳卒中や脳性麻痺などの中枢神経系の疾患をお持ちの方に向けたリハビリの手法です。

ボバース概念に基づき、運動や姿勢のコントロールを改善することを目的としています。

患者様一人ひとりの運動パターンを詳しく評価し、本来の自然な動きを引き出せるようにアプローチします。

特に、コアコントロール(体幹の安定性)や姿勢制御を重視し、適切な動作が習得できるように促します。

このアプローチは、リハビリ専門職が手や体を使って患者様の動きを誘導し、日常生活で使いやすい運動パターンへと再学習させるのが特徴です。

【当院でのボバース・コンセプトとの関わり】

当院では、ボバース・コンセプトの考え方を取り入れたリハビリを大切にしており、多くのスタッフがこの技術を学んでいます。

 先輩方の中には、ボバースのベーシックコースを修了された方も多く、リーダーに至ってはさらに高度なアドバンスコースを修了しています。

そんな経験豊富な先輩方と共に、日々患者様に最適なリハビリを提供できるよう努めています。

私自身も、ボバース・コンセプトを深く学ぶために、ベーシックコースの受講を目指して準備を進め、必要な講習はすべて修了しました。

ただ、当時は受講料が16万円と高額であったため、受講を見送ることになりました。

正式な修了資格こそ持っていませんが、病院での研修や臨床経験を通じて、ボバース・コンセプトの理論や実践に長く関わってきました。

【Movement Analysis(MA)とは】

Movement Analysis(MA:運動分析)は、ボバース概念に基づいた運動の評価と治療の基礎となる手法です。

正常な運動パターンの構成要素を理解し、どの要素が障害されているかを分析することで、効果的なリハビリ介入を行います。

ボバース・コンセプトでは、姿勢制御や運動連鎖を重視し、個々の患者様の動作の質を細かく評価します。

例えば、立ち上がり動作や歩行の際にどの筋や関節が正常に機能していないかを分析し、適切な促通(ファシリテーション)を行います。

この分析を通じて、神経系の適応能力(可塑性)を引き出し、より機能的な動作を再学習することが、MAの目的です。

【当院でのMAとの関わり】

院内では、リーダーがバイザーを務める勉強会が毎年開催されており、スタッフはこの勉強会を通じて正常運動パターンにおける動作と機能のコンポーネントを共有理解しています。

この継続的な学習により、私自身も正常な運動パターンの構成要素を深く理解し、それをリハビリに活かせるようになりました。

約10年間、この病院で働き続け、先輩方と患者様の治療について議論を重ねる中で、ボバースコンセプトの治療方法や正常運動パターンの理解は、私の中にしっかりと刷り込まれています。

 それは、日々の臨床で自然と活用される知識となり、リハビリの場面で非常に重要な判断材料になっています。

【しかし、私はボバース・コンセプトが好きになれなかった】

これまで私は、ボバース・コンセプトやMA(運動分析)に基づくリハビリに長く関わり、学びを深めてきました。

実際、ボバースの考え方はリハビリの現場で大きな役割を果たしており、多くの患者様にとって有効な治療法であることは間違いありません。

しかし、長年取り組んでいく中で、どうしても自分には合わないと感じる場面がありました。

理論や技術としては理解できても、施術を行う際にしっくりこない感覚があったのです。

もちろん、これはボバース・コンセプトが良くないというわけではなく、単純に私自身の治療スタイルに合わなかったというだけのことです。

言ってしまえば、向き不向きや好みの問題なのだと思います。

リハビリの方法は一つではなく、患者様によって最適なアプローチも変わります。

だからこそ、私は自分に合った方法を模索し、より効果的な治療を提供できるよう、自分なりの道を歩むことにしました。

【当院で推奨されている治療手技に+α】

そこで私は、ボバース・コンセプトの「コアコントロール」や「姿勢制御」の知識を活かしながら、独自に筋膜治療の勉強を深めていきました。

 筋膜は全身を包み込む組織であり、運動機能や姿勢に大きな影響を与えるため、この分野を学ぶことで、ボバース・コンセプトとはまた違った視点から患者様の治療にアプローチできるようになりました。

その結果、より幅広い視点で治療を行えるようになり、多くの患者様から喜びの声をいただく機会が増えました。

 そうした経験が積み重なり、最終的には整体院を開業するまでに至りました。

それでも、今もなお理学療法士として当院で働き続けている理由のひとつは、ここでならさらにスキルを磨き続けられると感じているからです。

 私は5年目で当院に転職してきましたが、本当に素晴らしい環境に巡り合えたと心から思っています。

著者|武田 功(監修)・弓岡 光徳(編集)

出版社|医歯薬出版

ページ数|213ぺージ

発行年月日|2021年10月29日

【内容】143本の実践動画と700点以上の写真を収録し、実技指導講習会レベルの知識と技術が身につく一冊。ボバースアプローチの国際インストラクター・弓岡光徳先生が、歩行獲得に向けた理学療法の治療アプローチを実演・解説します。講習会に参加しても実技が身につかないと悩む方に、実践的な学びを提供する一冊です。