
こんにちは!
カピバラ似で、四角いメガネがトレードマークのトトンです。
普段は総合病院で理学療法士として働きながら、副業で整体師もしています。
この【雑談コーナー】では、私が日々感じたことや体験した出来事など、私トトンの視点で気軽にお話ししていきます。
ちょっとした息抜きに読んでいただけたら嬉しいです!
【トリガーポイントによる3つの関連痛|荷重時痛・運動時痛・放散痛】
トリガーポイントとは、筋膜の滑走性が低下することで現れる筋硬結のことを指します。
このトリガーポイントが厄介なのは、単にそこが痛むだけでなく、「関連痛」を引き起こす点にあります。
関連痛とは、実際に痛みの原因がある場所とは異なる部位に痛みが広がる現象です。
そのため、痛みを感じている部分を治療しても、なかなか症状が改善しないことがあります。
特に、急性の炎症が落ち着いたにもかかわらず痛みが続く場合、その原因の多くはトリガーポイントによる関連痛である可能性が高いと考えられます。
臨床の現場では、この関連痛の種類として「荷重時痛」「運動時痛」「放散痛」といった名称がよく使われます。
荷重時痛は体重がかかるときに生じる痛み、運動時痛は動かしたときに感じる痛み、放散痛は広がるように感じる痛みを指します。
それぞれの特徴を理解し、適切に対応することが、痛みの改善につながります。
【関連痛①|荷重時痛】
荷重時痛とは、体重をかけたときに感じる痛みのことを指します。
手術後の早い段階では、傷の影響や組織の修復過程で痛みやツッパリ感を覚えるのは当然のことです。
しかし、急性期を過ぎてもなお痛みが続いている場合は、手術部そのものの問題ではなく、「関連痛」の可能性を考える必要があります。
例えば、右大腿部頸部骨折により人工骨頭置換術を受けたケースで、手術から1カ月が経過しても右下肢の荷重時痛が残ることがあります。
この場合、痛みの原因は手術部位そのものではなく、周囲の筋膜のこわばりや筋硬結による関連痛の可能性が高いのです。
私の経験では、右大腿部の内側や遠位外側の筋硬結に適切なアプローチを行うことで、荷重時痛が和らぐことが多くあります。
これは、筋膜の滑走性を改善し、滞った血流を促すことで、過剰な緊張が解放されるためです。
もし、手術後の痛みがなかなか取れずにお悩みの方がいらっしゃれば、関連痛の視点からアプローチしてみるのも一つの方法かもしれません。
強い力を加えるのではなく、優しく筋膜を緩めることで、驚くほどスムーズに痛みが軽減することもあります。
ぜひ、一度試してみてください。
【関連痛②|運動時痛】
運動時痛とは、体を動かしたときに感じる痛みのことを指します。
手術直後やケガをしたばかりの時期には、炎症や組織の修復過程によって痛みが生じることがありますが、そうした急性期が過ぎても痛みが続く場合は、「関連痛」の可能性を考える必要があります。
また、特に明確な診断がついていないにも関わらず、1週間以上運動時の痛みが続く場合も、関連痛の影響が疑われます。
例えば、右肩を挙げたときに上腕の外側に痛みを感じるケースでは、肩関節自体に問題があるのではなく、別の部位の筋膜や筋肉の硬さが影響している可能性があります。
私の経験では、三角筋粗面や棘下筋の周囲にできた筋硬結へ適切にアプローチすることで、運動時痛が軽減することが多くあります。
筋膜の滑走性を改善し、筋肉の動きをスムーズにすることで、痛みが和らぐだけでなく、肩の可動域が広がることも期待できます。
もし「動かすたびに痛みが気になる」と感じている場合は、一度、関連痛の視点からアプローチしてみるのもよいかもしれません。
強い刺激を与えるのではなく、やさしく筋膜を整えることで、思いがけないほど楽になることもあります。
ぜひ試してみてください。
【関連痛③|放散痛】
放散痛とは、痛みやしびれが原因の部位とは別の場所に広がる現象のことを指します。
例えば、脊柱管狭窄症や座骨神経痛では、腰やお尻の問題が原因で下肢にしびれが出ることがあります。
しかし、病院で検査を受けても神経に明らかな異常が見つからない場合、関連痛が関係している可能性があります。
関連痛による放散痛は、神経そのものが圧迫されているわけではなく、筋膜の滑走性が低下し、筋硬結が神経を刺激していることで起こることが多いです。
このため、従来の神経痛の治療ではなかなか改善しないこともあります。
私の経験では、中殿筋や小殿筋といったお尻の筋肉にできた筋硬結へ適切なアプローチを行うことで、下肢のしびれが軽減されるケースを多く見てきました。
特に、殿部の筋膜が硬くなっている場合は、筋肉が十分に動けず、周囲の神経や血管に影響を与えてしまうことがあります。
優しく筋膜を緩めることで、滞った血流を促し、自然としびれが改善されることが期待できます。
「神経の異常がないのにしびれが続いている」と感じる方は、関連痛の視点からアプローチしてみるのも一つの方法かもしれません。
痛みやしびれの本当の原因に目を向けることで、より快適な日常を取り戻せる可能性があります。
ぜひ、お試しください。
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