肩関節は、その複雑な構造と多様な動作範囲から、理学療法士にとって特に重要な部位の一つです。
しかし、肩関節疾患を正確に診るためには、解剖学や病態生理の深い理解、そして実践的な評価や治療技術が求められます。
このブログでは、総合病院で勤務し、経験年数10年以上の現役理学療法士である著者が、肩関節疾患を診る際に役立つおススメの参考書を厳選して5冊ご紹介します。
それぞれの書籍がどのような場面で役立つのか、どんな特徴があるのかを解説し、初心者からベテランまで幅広い理学療法士のニーズに応える内容となっています。
日々の臨床で肩関節疾患に向き合う皆さんの学びに、ぜひお役立てください。
【肩関節拘縮の評価と運動療法 改訂版 (拘縮シリーズ)】

著者|赤羽根 良和 (著), 林 典雄 (監修)
出版社|運動と医学の出版社
ページ数|246ぺージ
発行年月日|2023年5月30日
『肩関節拘縮の評価と運動療法 改訂版 (拘縮シリーズ)』は、肩関節治療に携わる理学療法士必携の一冊であり、私自身が肩関節を学ぶ上で最も参考になった書籍です。
本書は、10年ぶりの改訂により内容が大幅に刷新され、特にイラストや図が一新されたことで、解説の分かりやすさが格段に向上しています。
また、QRコードを通じて視聴できる59本の実技映像が追加され、書籍で学んだ理論を実践的に理解しやすくなっています。
肩関節拘縮の評価方法から、筋・関節包靭帯に起因する拘縮への運動療法、肩甲帯機能不全と肩関節可動域の関連まで、幅広い内容を網羅。初心者からベテランまで、理学療法士のみならず、整体師、スポーツトレーナーや医師、学生にも役立つ一冊です。
本書を手に取ることで、肩関節治療の知識と技術を体系的に学び、臨床現場で即活用できるスキルを身につけることができます。
肩関節疾患への理解を深め、治療の幅を広げたい方に、強くおススメします。
【運動のつながりから導く肩の理学療法】

著者|千葉 慎一 (編集)
出版社|文光堂
ページ数|174ぺージ
発行年月日|2017年4月24日
『運動のつながりから導く肩の理学療法』は、肩関節治療を考えるうえで欠かせない「運動の連鎖」を深く理解するための一冊です。
肩関節の運動は単独で行われるものではなく、肩関節複合体を構成する肩周囲の関節、体幹、胸郭、さらには下肢までが調和して機能することで成立します。
本書では、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院の臨床経験豊富なセラピストや医師によって、「肩」と他の関節のつながりをテーマごとに分かりやすく解説。
具体的な評価方法と治療法を、豊富な図解とともに展開しています。
「運動のつながり」を基盤に肩の運動機能を体系的に学ぶことで、臨床現場での即戦力となる技術を身につけられるのが特徴です。
肩関節疾患の治療に携わる理学療法士、整体師、医師にとって、日々の実践に直結する学びが詰まった一冊です。
肩のリハビリテーションに新たな視点を加えたい方にぜひおススメします。
【肩関節理学療法マネジメント−機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く】

著者|村木 孝行 (監修), 甲斐 義浩 (編集)
出版社|メジカルビュー社
ページ数|262ぺージ
発行年月日|2019年8月3日
『肩関節理学療法マネジメント−機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く』は、肩関節治療に必要な評価、解釈、アプローチを体系的に学べる一冊です。
肩関節の動的安定性低下、可動域制限、不安定性、肩甲骨アライメント異常、投球動作不良など、機能障害ごとに整理された内容が特徴で、具体的な評価方法や理学療法の実践を詳細に解説。
さらに、代表的な肩関節疾患について医師による病態や病期分類の解説も掲載されています。
エビデンスに基づく記述が多く、経験則に頼らない客観的な臨床思考を養うためのケーススタディも豊富。
これにより、限られたリハビリ期間で効果的かつ計画的な治療を実施するための「理学療法マネジメント能力」を習得できます。
肩関節治療に必要な解剖学やバイオメカニクスから実践的なアプローチまで網羅しているため、初心者から経験豊富な理学療法士まで幅広く役立つ内容です。
肩関節治療を臨床で活かしたい方におススメの一冊です。
【肩関節痛・頸部痛のリハビリテーション (痛みの理学療法シリーズ)】

著者|村木 孝行 (編集), 三木 貴弘
出版社|羊土社
ページ数|296ぺージ
発行年月日|2018年5月31日
『肩関節痛・頸部痛のリハビリテーション (痛みの理学療法シリーズ)』は、肩関節痛と頸部痛に関する包括的な理学療法アプローチを学べる一冊です。
肩関節における解剖学的、バイオメカニクス的視点から、痛みのメカニズムを解説し、各種肩関節痛の評価法や治療法を詳述。
肩甲上腕関節の筋機能低下や拘縮、肩甲骨の運動異常による痛みへの対応方法を具体的に説明しています。
また、ケーススタディを通じて実際の臨床に即した対処法を学べるため、理論と実践を両立させた内容となっています。
頸部に関しては、解剖学とバイオメカニクスに基づいた痛みのメカニズムを解説し、頸部痛に特有の評価法や分類法を紹介。
可動域制限や放散痛、協調性障害、頭痛を伴う頸部痛など、さまざまな症例に応じた理学療法のアプローチを実践的に学べます。
臨床で役立つ知識を深め、痛みを軽減する効果的なリハビリテーションを実現するための重要な指針を提供する一冊です。
肩と頸部痛の両方に対応する理学療法士にとって、必携の参考書と言えます。
【五十肩の評価と運動療法 あなたも必ず治せるようになる! (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ)】

著者|赤羽根 良和 (著)
出版社|運動と医学の出版社
ページ数|171ぺージ
発行年月日|2019年9月20日
『五十肩の評価と運動療法 あなたも必ず治せるようになる!』は、五十肩の治療に必要な基盤となる知識と技術を提供する必携の一冊です。
日本初の本書は、著名な赤羽根良和先生が五十肩の治療概念を解説し、理学療法における基本的なアプローチをわかりやすく指南します。
第1章では肩関節に関する基礎知識を、続く章では五十肩に影響を与える筋の機能と評価方法を詳述。
病態ごとの治療法が病期別に整理されており、疼痛期、拘縮期、緩解期における適切な運動療法が具体的に示されています。
特に、五十肩に対する各段階の治療方法は、患者の症状に応じたアプローチを提案しており、臨床現場で即実践可能な内容が満載です。
赤羽根先生の理論と実践が融合した本書を通じて、五十肩治療に必要な理学療法の理解を深め、確実な改善に導く方法を学べます。
理学療法士をはじめ、五十肩治療を行う医療従事者にとって、患者に対するアプローチの幅を広げるための理想的な参考書となることでしょう。
【肩関節を含む整形疾患全般を診るためのおススメ参考書11選】

肩関節疾患を含む整形外科全般を診るための書籍は、臨床における知識の深化に不可欠です。
この記事でおススメする5冊の書籍は、肩関節の解剖学、疾患の病態、評価法、治療法を幅広くカバーしており、実践的で深い理解が得られます。
これらの書籍を通じて、肩関節に関する臨床の様々な場面を学び、肩関節や他の整形疾患についても専門的にアプローチできるようになります。
肩関節を含む整形外科全般のスペシャリストとして、より高度な評価・治療スキルを磨くために、ぜひ参考にしてみてください。
整形疾患全般を診るためのおススメ参考書11選の記事は、こちらからどうぞ
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