股関節は、身体の中心部に位置し、歩行や姿勢保持、スポーツ動作などにおいて重要な役割を果たす部位です。
そのため、股関節疾患を適切に診断し治療するためには、解剖学や運動学の深い理解と的確な評価・治療技術が必要です。
このブログでは、総合病院で勤務し、経験年数10年以上の現役理学療法士である著者が、股関節疾患を診る際に役立つおススメの参考書を厳選して5冊ご紹介します。
基礎知識から最新の研究、臨床で活かせる具体的な技術まで、それぞれの書籍の特徴や活用法を詳しく解説。
日々の臨床現場で股関節疾患に向き合う理学療法士の方々にとって、実践的な学びの一助となる内容です。ぜひ参考にしてください。
【股関節理学療法マネジメント−機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く】

著者|永井 聡 (編集), 対馬 栄輝 (編集)
出版社|メジカルビュー社
ページ数|357ぺージ
発行年月日|2018年9月3日
『股関節理学療法マネジメント−機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く』は、股関節疾患における理学療法の実践に欠かせない「臨床思考」と「エビデンス」に基づくアプローチを詳細に解説しています。
股関節の疼痛、可動性障害、不安定性、筋機能不全といった代表的な機能障害を中心に、評価方法や解釈、具体的な理学療法手技が丁寧に整理されています。
また、各機能障害に関するケーススタディを通じて、臨床での応用力を高める内容となっています。
さらに、股関節に影響を及ぼす足部・足関節、膝関節、腰部・骨盤帯、胸郭といった他部位との関連性にも触れ、全身を包括的に診る視点を提供します。
限られたリハビリ期間で最大限の成果を上げるための「理学療法マネジメント能力」を養う一冊として、臨床経験者から初心者まで幅広い理学療法士にお勧めの参考書です。
【股関節拘縮の評価と運動療法 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ)】

著者|熊谷 匡晃 (著), 林 典雄 (監修), 浅野 昭裕 (監修)
出版社|運動と医学の出版社
ページ数|281ぺージ
発行年月日|2020年1月15日
『股関節拘縮の評価と運動療法(運動と医学の出版社の臨床家シリーズ)』は、股関節拘縮を中心に、骨盤・股関節の機能解剖から評価、治療、運動療法までを網羅的に解説した一冊です。
解剖学的知識やバイオメカニクスの基礎を学びつつ、拘縮による疼痛や機能障害の評価方法を具体的に理解できます。
また、異常歩行(跛行)や股関節疾患に関する詳細な評価と運動療法の実践的手法も紹介されています。
296点の図表を活用し、視覚的にもわかりやすい構成が特徴です。
理学療法士として臨床の現場で求められる「理論」と「実践」を結びつける内容で、初学者から経験者まで幅広く活用可能です。
股関節疾患に正確かつ効果的にアプローチするための一助となる、信頼できる参考書です。
【極める変形性股関節症の理学療法: 病気別評価とそのアプロ-チ (臨床思考を踏まえる理学療法プラクティス)】

著者|加藤 浩 (編集)
出版社|文光堂
ページ数|237ぺージ
発行年月日|2013年12月21日
『極める変形性股関節症の理学療法: 病気別評価とそのアプローチ』は、変形性股関節症に対する理学療法を徹底的に追求した一冊です。本書では、前期から末期、さらに人工股関節全置換術(THA)後の病期ごとに分け、股関節・腰部、足部・膝、肩甲帯・上部体幹といった部位別アプローチを詳細に解説しています。
変形性股関節症は病期によって症状や障害構造が大きく異なるため、各段階に応じたきめ細やかな評価と治療法を提案。
表や図解、モノクロ写真を多数収録し、視覚的にも理解しやすい構成となっています。
また、科学的根拠に基づく臨床思考を深化させ、理学療法士としてのプロフェッショナルを目指す読者に向けて、臨床推論や実践的な治療技術を提供。
患者ごとの特性を考慮しながら結果を出すための指針を示す一冊です。
変形性股関節症に携わる全ての理学療法士にとって、理論と実践の両面で大いに役立つ内容です。
【股関節のスポーツリハビリテーション ─ 電子版付 ─】

著者|福島健介(北里大学医学部整形外科学 講師) (編集)
出版社|日本医事新報社
ページ数|256ぺージ
発行年月日|2022年1月18日
『股関節のスポーツリハビリテーション ─ 電子版付 ─』は、医師との「共通言語」を持ってリハビリを行いたい理学療法士(PT)やアスレティックトレーナー(AT)のための一冊です。
本書は、整形外科医向けの書籍『整形外科医のための股関節のスポーツ診療のすべて』から重要な内容を抜粋し、臨床現場で役立つ情報を凝縮しています。
解剖学やバイオメカニクス、運動連鎖など基礎知識から始まり、アスリート鼡径部痛や股関節形成不全、FAI、弾発股など、スポーツでよく遭遇する疾患を網羅的に解説。
希少疾患や人工股関節全置換術後のスポーツ復帰まで幅広くカバーしています。
各章では具体的な理学所見やリハビリのアプローチが詳述されており、スポーツ現場やリハビリに携わる全ての専門家にとって必携の書籍です。
電子版付きで、日々の実践に活かしやすい点も魅力です。
【人工股関節全置換術の理学療法】

著者|対馬栄輝 (編集)
出版社|文光堂
ページ数|384ぺージ
発行年月日|2020年10月29日
『人工股関節全置換術の理学療法』は、THA(人工股関節全置換術)における理学療法を術前から術後まで網羅的に解説した、臨床家必携の一冊です。
エビデンスに基づいた実践を中心に据え、患者の関節機能や身体機能の回復・改善・向上を目指した内容が特徴です。
術前の段階では、術後の機能低下を最小限に抑えるための対策や、リハビリ計画の立案を解説。術後には、自己管理や生活指導を含む包括的なアプローチが詳述されています。
また、原疾患に起因する二次障害の予防策にも触れ、患者が人工股関節とうまく付き合いながら生活の質を高めるための具体的な方法を提供します。
術前準備から術後リハビリまで、臨床現場で役立つ知識と技術を網羅しており、THA患者を支える理学療法士にとって欠かせない一冊です。
【股関節を含む整形疾患全般を診るためのおススメ参考書11選】

股関節疾患を含む整形外科全般を診るための書籍は、患者の症状に適切な診断と治療を提供するために重要です。
この記事でおススメする5冊の書籍では、股関節の解剖学、病態、評価方法、治療技術を詳しく学ぶことができます。
これらを通じて、股関節の臨床場面を深く理解し、整形外科の幅広い領域における知識と技術を習得することができます。
股関節を含む整形疾患のスペシャリストとしてのスキルを磨くために、これらの書籍をぜひご活用ください。
整形疾患全般を診るためのおススメ参考書11選の記事は、こちらからどうぞ
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